麻布沢の滝

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今まで幻となっていた麻布の滝に行ってきました。
麻布の滝は滝巡りのパイオニア的な存在の永瀬嘉平氏の著書で紹介されていた滝で、
永瀬氏が訪れた時は静岡第一テレビのロケで役場の方に案内してもらい崖を降り何とか辿り着いたと紹介があり、写真もなくどこにあるのかさっぱりわからず見当もつかない状態でした。

そんな状況の中で情報を得ようと役場にも問い合わせても分からない、そして私自身も静岡第一テレビに出演することになり、永瀬氏が当時同行したディレクターさん(いまはだいぶお偉いさん)に確認してもらいましたが、昔の事なので覚えていないとの返答でした。

ずっと幻の状態だった中、水窪のNPO法人「山に生きる会」が水窪の滝を紹介するHPをアップしました。
これは日本を代表する沢屋の成瀬陽一さんが水窪で講演した内容をアップしたもので、
有りがたいことに地形図まで載せてくれていました。

そして一足先にあっきーさんたちが訪問を果たし、その内容から沢を遡行して訪れていたので、私も遡行で麻布の滝を目指しました。

全く未知の沢で沢沿いを進むが滑りやすいと判断し今回はスパイク靴で訪問しました。
あっきーさんたちが訪れた時は林道のかなり奥まで進めたようでしたが、私が訪れた時は林道入り口から通行止めになっており、仕方なく沢沿いまで2km近くを歩くことになりました。
沢から入渓ししばらくは進みやすい沢沿いを進みますが、ある程度進むと高度感のある連瀑帯にさしかかり右岸を巻くと、V字滝の手前まで来ます。

V字滝と上部に大滝が見える



V字滝の滝前に立つには前衛滝を登らなくてはならず、スパイク靴では到底越えられそうにないのでパス。
とりあえずV字滝の下部を撮影し麻布の大滝に向かいます。大滝はV字滝の上にあり、V字滝からも大滝の上部を見ることができます。
V字滝を巻き大滝に向かいそうな尾根を下っていくと大滝を展望できる所に辿り着きます。
ここから滝下に降りるにはルート工作をしなければなりませんが、滝の中段位の場所から何とか行けそうな所があったので、ロープで確保しながら滝下へと向かいます。この滝下への道はかなり滑りやすいですが、スパイク靴のグリップで何とか滝下まで辿り着く事が出来ました。

大滝


大滝


水量も多く優しい感じよりはげしい印象の滝前、あっきーさんはやさしい感じと言っていたので水量により印象が大きく変わる滝かもしれません。
1時間半ほど麻布の滝を満喫し、未知なる上流の滝へ調査に向かいます。
尾根沿いを登り沢音を確認しながら滝がありそうな場所を探します。
ここで気づいたのは渓流の音は割と激しく「ゴッーー」という感じの音、滝の音は「サッーー」という感じの音の違い。この音の違いを頼りに大滝の次にある「明滝」に2時間近くかけ辿り着く。

明滝


明滝という名前はきっと成瀬さんが付けた名前だと思うが、そのネーミングセンスに納得させられる。
明滝と同じように次の滝、すべり滝を目指します。

すべり滝


すべり滝は1時間半程かかり見つけることができ、滝前には安全のためロープを出して降り立った。
そして更に上流にある井戸底滝を目指す、この井戸底滝はすべり滝から距離的に近いため、
結果的にすべり滝を小さく巻いて訪れるのが効率的だと感じました。


井戸底滝


井戸底滝下流


井戸底滝は下段の滝から上段の滝を見ることができず、右岸沿いのザレを登り俯瞰しました。
この井戸底滝、昔の写真と比べると上段の滝の浸食の進みが早いことに驚きました。
これで麻布沢の滝を一通り見ることができましたが、この時すでに16時を廻っており急いで下山します。
井戸底滝の下流から一気に尾根へ上がり、そのまま馬の背を下りますが途中分かり難いところもあり、
ルートを慎重に選び1時間半ほどで沢の入渓点まで戻ることが出来ました。
最後の林道歩きを含め18時過ぎに駐車ポイントに到着。
V字滝の直下には立てないという課題もありながらも一通り全ての滝を確認することができ、満足のいくものとなりました。
ただ手探りの中の滝巡りだったので、どうやって行けば最短ルートで全ての滝に行けるかということは説明できないくらい分かり難い場所でもありました。
次回はあるか分かりませんが、その時はまずV字滝の滝前に立ちたいと思います。

尚、麻布沢の滝は一般的なルートは無く、危険を伴いますので安易な気持ち、装備での入渓は避けてください。





Yahoo!ブログより2015年5月16日午後 7:25投稿の記事
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