この滝は知名度で言えばかなり低くアプローチも困難で知れ渡っていないため、ほとんど人の入る事の無い滝なのですが、愛知県でも最大級の滝の一つです。
行った本人も本当に辿り着けるか半信半疑でしたが、無事に辿り着けたので簡単なレポとしてまとめたいと思います。
布滝は大入渓谷の大入川の支流、その名も布滝沢にあり渓谷の中でも規模の大きい支流の一つです。
アプローチに際し注意しないと行けないのが、大入渓谷の横を走る県道429号線は通年通行止めになっており上流、下流両方にゲートが有り車の進入が出来無くっているので浜松側から行く場合は東栄町の市街地方面へ大きく迂回しなくてはなりません。
県道429号線大入渓谷は通行止め
そんな県道429号線の北側みどり湖から南下して大入トンネルを越えると通行止めの標識が有るのですが,
それを無視して更に2km程進むと「庚申沢橋」に辿り着きます。
庚申沢橋
庚申沢橋の先はゲートで閉じられておりこれより先は車の進入は出来ないので、橋の袂に車を置きここから徒歩になります。
県道ゲート
ゲートから20分程歩くと布滝沢に出会うのですが、県道からは布滝沢がどれか分かりにくいので地形図とにらめっこしながら入渓ポイントを探しました。
何とか入渓出来そうなポイントが有るのでここを危うげに下り渓谷内へと入ります。
訪問時の入渓ポイント
河原に降りますが、どうやら200mほど布滝沢の下流に降りたってしまったようで、深い淵を越えるためにやや急な巻き道を使い上流へと向かいました。
しばらく歩くと上流に朽ちかけた吊り橋を発見します。
上流に吊り橋
実はこの吊り橋から先は廃道にはなっているものの、布滝へと向かう道が通じているので、吊り橋が存在していた事で目印となり何とか布滝に行けそうな気持ちになってきました。
その後は何とか吊り橋の所まで到着。
ずっと以前から朽ちていたようなので、既に吊り橋自体流されて存在していないと思ってたのですが、存在していたのでこれはかなり大きな手がかりとなります。
朽ちた吊り橋、当然渡れません(^^ゞ
吊り橋の先は急な坂道となっており、残置ロープとワイヤーがあり、あまり使いたくはないですが、これを利用しないと上には行けないので恐る恐るロープを使いよじ登ります。
残置ロープとワイヤー
よじ登った後はかすかな踏み跡が残っており、慎重にルートを見失わないように進みます。
途中分かりにくい所や、崩れかかったトラバースなどがあり、慎重に進まないと行けません。
トラバース
踏み跡を辿りながらひた進むと傾斜は緩やかになり歩きやすくなってきますが、その後は背丈程ある熊笹を掻き分けながらのヤブ漕ぎとなります。
ヤブ漕ぎ
ここでは踏み跡も有るのですが、ルートを見失わないように慎重に歩を進めます。
ヤブ漕ぎが終わり涸れ沢を渡り進んでいくと廃小屋が見えてきます。
廃小屋
廃小屋の横を過ぎると布滝まであともう少し、布滝左俣を横切ると右手に前衛の25mナメ滝が見え始めてきます。
左俣
前衛25mナメ滝
前衛の25mナメ滝の左側の植林帯の踏み跡を越えるとようやく布滝が顔を現します(^^)
布滝
滝下から見えてるのは、中段、下段で上段はナメ滝となっています。
岩盤を綺麗に滑り落ちる滝はその名に相応しい滝で、到達した喜びに満たされます。
布滝中段アップ
(上段の滝が気になり見に行きましたが、完全なナメで写真を撮る程見栄えのする流れでもないので、苦労して上段まで行く程ではありませんでした)
布滝の下流には前衛のナメ滝以外にも幾つかの滝が存在しています。
その中でも大入川に流れ込む布滝沢入口にも10m程の綺麗な滝も有り、こちらは簡単に見る事が出来ます。
布滝沢口の滝
行けるかどうか分からなかった布滝に行く事ができ大変満足した事は言うまでもありません(^^)!
これほど変化に富んだ沢があまり知れ渡らないのは、大入渓谷が険しいゴルジュに覆われて人を拒んでいるからでしょう!!!
※布滝に訪れる際は下記の注意が必要です。
・今は人が入らなくなった場所であり大変な危険な場所でもあります。
・帰りも朽ちた吊り橋横の崖を無理矢理登り県道へと戻りましたが、それなりの準備をしないと辿り着く事の出来ない場所です。
朽ちた吊り橋を登り切った県道にはこんな看板が…
・自分が訪れた時は大入川の水量もそれほど多くなかった為、簡単に渡る事が出来ましたが、滝に行ってる間にダム湖の水が放流されたら川を渡れなくなってしまいます。
Yahoo!ブログより2008年6月16日午後 9:32投稿の記事